大根おろしの話2016/05/11 22:14

和風ハンバーグのための大根おろしがどうやってできるのか、経過をとって記録しました。小さな部品ですが、これがあることによってハンバーグが和風になる、大事な主役です。
まずはパン粘土でこのような形を作っておきます。これが大根おろしになるのか、この状態ではあまり想像がつきません。必要なハーンバーグの半分の個数を作っておきます。普通はミスが発生したときのために余計に作っておきますが、前回分の予備があるため、今回は予備なしになりました。
さっきのものを半分に切ります。これだけで大根おろしの形に近づきました。切る時は両側をおさえて、飛んでいかないよう注意します。ここからが少し面倒で、これに作業用の穴を開けます。穴を開けるときに、中心がはじによると割れてしまうため、なるべく中心付近に開けます。
触るわけにはいかない作業をするときは、必ずこのように真ちゅう線か塗装用の棒につけます。無理に手で直接持とうとすると失敗するだけですので、大事なひと手間をかけてでもこうします。これからおろしをつけます。
おろしには模型用の白い砂を利用します。米粒とは違う素材です。白い砂を米粒がわりに使う人はいますが、透明度が高いのと、形が不揃いのため、私は使いません。見た目は塩に近いです。
砂を樹脂でくっつけます。つける回数は一回です。一回だとこのように隙間ができ、地肌が見えてしまいますが、質感に問題はないので大丈夫です。形は指で整え、粒が飛び出てつかないようにします。乾燥にはかなり時間がかかります。
よく乾燥させたら、もう一度樹脂で固めます。こうして、砂と下地を密着させ、なおかつ隙間を目立ちにくくします。下地の色がもともと大根おろしに近い色をしていますから、光沢で覆ってしまうと全体がなじみ、隙間があっても気にならなくなります。ただ、非常にサイズが小さいものなので、隙間は最初からあまり目立ちません。樹脂が砂の間を埋め、全体のまとまりもできます。光沢が入ると水気が増したようになり、おろしのみずみずしい感覚が表現できます、つやのないしっとししたおろしもいいですが、ハンバーグに乗せたときは、この方が存在感があるでしょう。ある程度、ミニチュアとしての演出も考えています。

このように、最初の形からは想像しにくくとも、ちゃんとおろしになってくれるのです。大事なことは最初の形を作るときの、粘土の水分で、これが十分でないと粘土を丸めたときに同化せず、粘土の間に割れ目を作ってしまい、切った時や穴を開けた時に割れます。これはだんごでも大事なことで、粘土を丸めたときに割れ目ができないことは基本なのです。水分が少ないと表面が少し乾燥しますので、乾燥した同士の表面はくっつかないのが原因です。パン粘土の扱いは、このことをいつも気をつけなければなりません。
小さなパーツですが、しっかり手間をかけます。