エアブラシのニードル2016/04/05 22:34

エアブラシのことを書こうかと思います。ちょっち足が痛くて短くまとまりますが、何か書くことに困ったときのため、ネタは仕込んでおきました。
どら焼きを作ったときにエアブラシを使いまして、最後の終了メンテナンスに写真を撮りました。ここを見る人はこんなこと書かなくてもよいだろうとも思われつつ、果たしてどういう人が見ているのかわかりませんから、ネタとしてご覧ください。
右下に見えるのがコンプレッサーで、こことエアブラシをホースでつなぎます。すると圧縮された空気が押し出されてくるので、高圧縮された空気に塗料を少し入れると、塗料が霧状になって噴出されます。それがエアブラシによる塗装です。この写真は、普段お店では見られない状態になっています。まず、先端の空気を締める部品を外しています。そして、ニードルのカバーも外しています。ニードルのカバーも飾りではなくて、ここでニードルの位置調整もしますが、つけていなくても動作します。これを見せた状態で保管状態を見るとよくわかります。
普段はこのように保管します。先端部分はカバーがつけられます。ニードルを意図的に抜いて保管しますが、これはこのモデルだと内部に塗料が残りやすいためで、それが固まるとニードルが動かなくなる問題が発生するため、あらかじめニードルを抜いておくのです。次に使うときは、ニードルを入れて、溶剤のみで多少動作させないと、やはりすぐにニードルが固まって動かなくなります。エアブラシはニードル操作が命です。なぜかを説明しましょう。
これが先端の部品を外した、エアブラシの内部です。後ろから入れたニードルは、先端がここで出ます。ニードルの役割は、塗料のフタみたいなものです。ニードルを動かすとどうなるでしょうか。
このように、先端は見えなくなります。そしてここから塗料が出てきます。ニードルの微妙な前後調整で、先端に隙間ができて、そこから塗料が出てきます。その穴、このモデルだと 0.3mm です。ニードルによる微調整の幅がどれだけ小さいものかおわかりいただけるでしょうか。通常、この部分は空気の流れを止めるための、穴の開いたカップ上の部品と、出てくる塗料混じりの空気をまとめる部品がついています。これはニードルの動きが見えやすいよう部品を外しているだけです。メンテナンスするときも、外してこの周囲を清掃することがあります。エアブラシを選ぶときに必ず口径を元に選びますが、つまりはここの口径です。これが大きいと塗料の出る量も多くなり、塗り面積も大きくなります。そのかわり、空気の圧力が高くないと吹くこともできません。エアブラシ口径とコンプレッサーの圧力はここで関係していて、口径を大きくするならコンプレッサーも大きくする必要があります。模型に使う標準口径は 0.3mm で、だいたいこれでこなせますが、非常に大きなモデルになると厳しくなります。細やかな作業用に、0.2口径のものもあります。用途によって口径も選択できるということです。

と、エアブラシのニードルについて何となく説明しました。これでエアブラシとコンプレッサー選びの基礎知識がわかります。

アクリジョンの力2014/03/01 23:21

金曜日に水性アクリジョンを使った実験を行いました。アクリジョンがレジン用のプライマーとしてどの程度役に立つか、エアブラシを使って実験してみました。
アクリジョン硬化後が非常に固くて強力な膜になることは、今まで使ってみてわかりました。塗料皿につけると、乾燥後に今まで見たことのないような固い物質がついています。まとまって接着剤のようにくっつくのならかなり強力なものになりますが、砂に入れて固めることはできません。それにはかなりの量を入れてやらないとダメなようです。
ざらついたところに入り込んで強力な固体になると、そう簡単にはがれません。エマルジョン系樹脂は、膜になるとつながりが強いです。デコソースとして使ってきたのでわかります。そのつながりの上にアクリル樹脂を固めていると考えられますから、塗膜そのものが強固な固体であると考えるべきでしょう。つまり、従来の塗料はアクリル樹脂の結合だけですが、ここに網目のようにエマルジョンが入り、従来より強い塗膜を形成するのがアクリジョンです。
レジンへの食いつきは、今のところかなり良好です。弱いものだと塗膜が割れてはがれますが、アクリジョンは塗膜そのものが割れず、パーツ全体を覆うようにするとスキがありません。プライマーとしての効果はかなり期待できそうです。ただ、乾燥時間は24時間きっちり置かないと強度が得られません。プライマー後に気泡が見つかるのは珍しいことではありませんが、気泡を修正してプライマーを吹きなおすと、そこでまた24時間待ちが発生します。作業効率の面では時間がかかりますが、よほど急ぎでない限り、利点の方が大きいと思います。

アクリジョンに関しては実験をして今まで調べてきまして、この特性はまた別の機会で紹介するつもりです。まずはプライマーとしての第一段階をクリアしたという、簡単なレポでした。

見た目サッパリ2013/06/06 22:02

やったぜ、やっと髪を切ってきたぜ。とりあえず冬のワンフェス前に自分で切った以来髪が伸び放題、みっともないので外に出るときは帽子をかぶっての日々でしたが、いい加減どうにかしたく、意を決して切りにいってきました。ふぅ、これで帽子で隠さずに済むぞ。見た目も若返ったぞ。白髪も目立たなくなった ! いや別にさっさと行ってくればいいのにって話なんですが、どうしてもに迫られないと切る気にならないたちなのです。
私は指定の美容師さんともうかれこれ23年ほどの付き合いになりますが、電話で予約するだけで名前も聞かずにわかるんだから、大お得意です。それだけ通っていれば私の髪の性質も、切っている間に読む本もわかってくれていて、とても安心できます。他の美容師さんがどれほどの腕前を持っていたとしても、私はその人にすべてを預けます。それほどの信用があります。不思議だよね、お互い23歳も年取ったんだから。

そこは私が八千代に来てから通っていて、八千代から越してもずっとそこでお世話になっています。今は自分で運転していけるけど、昔は送ってもらったり、電車で来たりと大変でした。今は八千代の通りを見ながら、昔を振り返りつつ、変遷を楽しんでいます。昔住んでいた家は今でもあって、人が住んでいるんだよなぁ。ちょっと中を見たい気もするんだけど、人のうちだからもう見られません。友人Tの昔の家は今はなく、市内の別の場所へ引っ越したり、みどりが丘とか開発されたり、昔登校していた裏道は今どうなっているんだろう ? 何となく八千代を夜車で走ってみたくなりました。

思い出話はいいとして、ちと電撃ホビーを今日立ち読みしてみたら、ソルバルウのプラモの作例が出ていました。ソルバルウの立体は結構以前から、ワンフェスで遠藤さんまで呼んでしまうくらい売られてきました。Game Legend でも売っていました。しかしそちらはレジンキットですが、レビューは WAVE のプラモのソルバルウです。え、まさかソルバルウを知らない人っているのかな・・・ゼビウスの戦闘機です。ゼビウスの世界観とソルバルウの関係は、関係書籍とかでも語られていますが、最終的なまとまりはPS用の「XEVIOUS 3D/G+」で完成した形になったのではないでしょうか。
で、ソルバルウの絵は背後からものすごい情報量を詰めて描きこまれ、いろいろと参考にしています。なので実は手元にこのファミコンのカセットが置きっぱなしです。こういうリアリティーのある描き方は、魅力を感じます。1982年じゃドット絵だけど、カセットには「リアルじゃこんくらいすごい戦闘機なんだ !」と、心をくすぐるわけです。そういう意味では、情報量の少ないドット絵の方が、人間の想像力と創造意欲を掻き立てる気がします。今の時代はなんでもできちゃうから、イメージが固定されて作りにくい部分があると思うけど、解釈にゆとりのあるものは、人によって様々に化けます。そういった余裕のあるものはプラモにしても人気があるんじゃないでしょうか。このあたり、実物を元にして作るスケール物の弱さも感じますが、実物と同じリアリティーを組み立てるのも模型のよさで、一概にどっちがよいとも言えないんですがね。

ああいいな、模型いいな。だめです、こんなこと書いているけど裏ではワンフェス生産モードなので、模型に手を出せません。またエアブラシを手にするとき、何か感動を覚えるでしょう。

小物作りに潜む罠2012/02/24 16:28

昨日は眠すぎてやられました。それでも買い物に行って縁台の材料を仕入れてくるなどやることはやっております。
さて、夏の小物アイテムに「生中」を入れようかと思っております。生の中学生ではなく、生ビールの入った中ジョッキであります。小物カテゴリーなので、値段は低く、できるだけ簡単に作りたいですが、考えることもたっぷりあるのです。
本物の中ジョッキ、さて大きさはどれくらいでしょう。
私の使っている湯呑みから比べると、実はそんなに大きくありません。高さはありますが、直径については大きく変わりません。で、この湯呑みはうちで今回作った湯呑みの基本サイズです。つまり、この湯呑みを縮小してあの湯呑みを作った、こういうことです。じゃあ、このまま中ジョッキを 1/12 すれば売れるでしょうか。まあ、作れば売れるでしょう。でもイメージとしてはとうでしょうか。おそらく、多くの人が小さいと思うはずです。
飲み屋の中で見る中ジョッキは比較対象が普段使っている食器と違い、グラスなどになります。そうするとカクテルグラスから比べればかなり大きいし、何より持った感覚、飲むときの感覚は日常にはない大きさに感じます。ところが実際は、背の高いマグカップに大きなもち手が付いた程度で、並べてみれば湯呑みと直径はほとんど変わりありません。

この湯飲みは 200ml 入ります。入れてもすりきりではなく、余裕があります。人の胃袋はそんなに大きくありませんから、350ml 入るようになるとそれでも十分な量が増えたことになります。それが、小物サイズにしてみると、人間は普段よりも超客観的に大きさを見ることになり、体感が外れて、案外こんなもんなのかと見えてしまいます。この体感が外れるところが重要です。
小物作りは、体感で外れた部分を大きさで取り返します。実際は湯飲みと直径がほぼ同じでも、それより明らかに大きくして、中ジョッキは「大きい」と感じるよう作ります。不思議とその方が自然に感じるはずです。そんなわけで私は 6mm よりも太いパイプを材料として買うことにするのでした。
リアルに縮小することよりも、イメージ優先で縮小する、1/12 は実のところ目安にすぎません。スケールにこだわりすぎる人は、小物作りに向かないと思います。多分その人は、模型作りの方が適していると思います。建築模型は縮尺優先なら、ドールハウスはイメージ優先、そして私のやっている世界もイメージ優先です。私はこういうことを商売のコツだと思っております。棲み分けです。

ドールハウスと私のやっていることの違いは、量産するか否かです。ドールハウスは一点もので作品を成しますが、私は量産できないと話になりません。一点だけ作るなら手段も素材も自由に済みますが、それが100個作れるかとなると、話は違います。
こういうことを地味に積み上げながら量産型マンドラゴラは成り立っております。まさか量産という言葉がここまで我らのテーマになるとは当時思ってもいなかったのですが。