オビツろいど化首関節2018/03/22 21:45

今月の委託より入りました、オビツろいど化首関節について、使い方と調整について説明します。かつて自分が使う用に作ったものについてTwitterで流したところ、長らくぼちぼちと反応があったため、もしかしてこれ欲しい人がいるのかなと、商品化してみることにしました。作るためにはプラモのランナーが必要なため、モデラーなら楽勝でも、世の中そういう人だけではありません。
ただし問題もありまして、材料がランナーゆえの精度の低さ、オビツ11の個体差を完全に吸収することは難しく、微調整が必要になることもあります。それゆえのサポートがここに書いてあると思ってください。
まず、全体はこんな形になっています。オビツ11の純正首関節をこれに交換するだけで、簡単にオビツろいどにできます。対応しているのは、ねんどろいどの製品番号が300、初音ミクVer.2(2013年6月発売)以降の、首関節が独立したパーツになっているものです。頭に直接ボールジョイントが組み込まれている、299(ミクダヨー)以前のねんどろいどには使うことができません。首は回転方向に対応しますが、上下には動かせません。上下可動に対応させると、さすがに構造が複雑になり、難しくなります。
プラモのランナーなら、T字になっている部分があり、仮に3mmのプラ棒を買ってきてT字に組むより、圧倒的に高い強度を得ることができます。その分、ランナーは正確に3mmになっていることは少なく、場所によってはパーティングラインが出ていて、精度が低くなりがちです。材料費と強度の利点から、プラモのランナーが最適だと考えました。ちなみに委託での値段は50円です。こんな怪しい見た目と精度の部品に、これ以上の値段を設定することはできません。
ランナーを使う都合、色の組み合わせはバラバラですが、組み込むと隠れるため、色は性能に無関係です。形が見えやすいよう、ここでは青を使いました。それでは使い方を解説していきましょう。
オビツ11の胴体を分解します。スナップフィット方式ですので、隙間に力を入れれば外れます。写真の広がっている部分を分解してください。この際、隙間を広げるために刃物を使うことは絶対しないでください。デザインナイフやカッターで広げようとすると、刃が折れることがあり、大変危険です。一般的には何が便利でしょうか。私は、プラモ専用の、パーツオープナーという、パーツの隙間をこじあけるための道具を持っています。そういうものがないと、逆に言えば量産できません。ひとつずつチェックするのに、手で開けていては大変です。何とか根性でがんばってください。
パーツを外す時、最後はそっと外してください。最後まで力を入れてしまうと、開けた勢いでパーツが飛んで行ってしまいます。なかなか開かない箱をふんばって開けたら、開けた拍子に中身が全部飛び出すのと同じことが起こります。パーツは小さいですから、最後は慎重に開けましょう。
純正の首関節を外し、この関節を仕込みます。回転するため、向きは関係ありません。板の付いている方が正面です。この時点でパーツを回転させてみて、きつさを見てください。どうしても、完全にしっくりさせるのは、材料とオビツ11の個体差もあり、非常に厳しい問題です。ゆるい場合もあれば、きつい場合もあります。これの調整は後で説明しますが、とりあえずぴったり入ったとします。
外した腕を元に戻し、パーツを元あったように閉じます。このとき、腕の左右つけ間違えに注意してください。手が右手か左手かを確認します。おなかのパーツが回転している場合もあります。おへそのある方が前です。
首関節を外したねんどろいどを用意します。後頭部の下の部分に、棒になっている方を入れます。ねんどろいどはPVCのため、これも成形に個体差があり、場合によっては入りにくい、もしくはゆるいことがあるかもしれません。調整は軸の調整と同じなので、後で説明します。ここはほぼ問題ないと思うのですが。
板のある方に、顔を取り付けます。板が顔の内側に引っかかるようになっています。最後に前髪を取り付けて完成です。表情の変更にも対応しています。オビツろいど生活を楽しみましょう。

<< 軸の調整方法 >>

さて、どうしても個体差により、ぴったりに作ることができないため、頭をつけたらゆるくて首がすぐ回ってしまう、逆に固すぎる、そもそも軸が入らない、などの問題が発生することが考えられます。申し訳ありませんが、こちらの品質管理だけで対応することができません。そこで、お客様自身で微調整していただくことが必要になります。
軸が固い場合、これは簡単で、削ればよいだけです。軸の一箇所を削るのではなくて、全体を平均的に削っていきます。ただし、微調整は0.1mm以下の世界ですから、削るのは本当に少しずつで、削ったら部品に入れて、締まり具合を見ます。私は模型用の細いやすりでやっていますが、ない場合は紙やすりで作業します。爪磨きなどがあれば、それでも可能です。削れれば何でも良いので、やすりがない場合、カッターナイフやデザインナイフで研ぐ方法でも削れます。通称かんな掛けと呼ばれるやり方で、刃を削りたい面に垂直に立て、横に動かしながら削ります。
今後も何かを作ったり、家でちょっとした時に使えることを考え、紙やすりを買ってしまうのもありだと思います。耐水やすりの400番か600番が定番です。ホームセンターで100円以下で買えます。それなら細く切って、軸を回しながら削っていけるでしょう。
後ろの頭に軸が入りにくい場合も、同じように削ってください。

ゆるい場合、軸を太くします。一般的な軸を太らせる方法は、瞬間接着剤を盛ることです。はけ塗りタイプの瞬間接着剤が100円のお店で手に入ります。ホームセンターで高級なものを使う必要はありません。これを軸全体に塗って、十分に乾燥させ、固くなったらパーツと合わせ、まだ足りないと思ったら再び盛ります。ただ、重ね盛りをする場合、やすりで全体を整える必要があるため、模型用のやすりか、耐水紙やすりの400番か600番を用意してください。一度に大量に盛ると乾燥に時間がかかるだけでなく、硬化後にいびつになるので、より早く仕上げたいなら、少しずつ盛ることが重要です。瞬間接着剤は生活で何かをちょっと直す時にも便利ですので、あって困ることはないと思います。水分で固まりますから、保存はしっかりふたをして密封パックに入れましょう。
瞬間接着剤はないけど、木工用ボンドや手芸用ボンドがある、という場合には、それでも調整できます。ただし、瞬間接着剤ほどの信頼性はありません。軸全体に、ようじなど細いものを使って少しだけ接着剤を塗り、オビツ11の軸受け側のパーツの上で転がして、全体になじませます。取り外して乾燥を待ち、完全に乾いたら軸に合わせます。これが十分なきつさになるまで繰り返します。手軽ですが、ボンドが剥がれ落ちたり、長期間動かさないと、軸がくっついて動かなくなってしまうという欠点があり、瞬間接着剤よりメンテナンスが大変になります。

<< 首のぐらつきのなくし方 >>

軸がぴったり合っても、首は若干ぐらつきます。これは、オビツ11の首の軸受けが、背中側の部分だけ広くなっているためです。軸で対応すると首が回転しなくなるため、オビツ11側への改良が必要になります。もっとも簡単な方法を紹介します。
写真のように、胴体の首の軸受け部分にマスキングテープを貼り、背中側の軸受けを狭くすることです。これで首のぐらつきはほぼ完全に抑えられます。上から見るとこうなっています。
軸受けの背中側の部分をマスキングテープが埋めている様子がよくわかります。マスキングテープの厚みによると思いますが、これの場合、三枚重ね貼りしました。軸の状況でどれくらいの厚みにすればよいかは変わるので、一枚ずつ貼りながら、ちょうどいい具合を見ていきます。マスキングテープである必要性はなく、プラ板を持っているならそれでよいし、セロハンテープでも、シールの切れ端でも大丈夫です。もちろん、プラ板が最も耐久性に優れます。プラ板なら0.3mmでしょうか。
ぐらつきの幅はほんのわずかですが、後ろ側の方が重くなりがちなねんどろいどは、このぐらつきにより、少し上向き加減になります。いつも目線より低い位置に置くことが多いのならいいのですが、撮影をいろいろやりたい人にとっては、ぐらつきは扱いにくくなると思いますので、このぐらつき防止措置はお勧めです。10分程度でできます。ぜひやってみてください。
以上、オビツろいど化首関節についてでした。委託で50円で販売しております。委託情報は、カテゴリーのアキバ委託情報の項をご覧ください。

衣料部は現在休業中ですが、服と合わせることで、ねんどろいどではできなかったことが広がります。楽しみ方は様々で、この関節なら服を着せるときにもほとんど邪魔になりません。首が抜けることもないため、調整さえできてしまえば扱いやすいと思います。ただひとつ、部品は接着されているので、あまり無理な力をかけたり、頭を付けた状態で落としたりすると、部品が壊れることがあります。くれぐれも注意してください。なお、もし接着した部品が取れてしまっても、表面をやすりで削って整えて再度接着すれば、直して使うことができます(元の接着は溶解系のため、瞬間接着剤の方が耐久性は落ちます)。調整に使った道具がまた役に立ちます。

新カテゴリー2018/03/16 23:26

新しく「オビツ/ねんど ろいど」というカテゴリーを作りました。オビツ11用の衣装の重要性が増していて、ねんどろいどに合わせた大きさのものを作る機会も増えています。そのため、新しくカテゴリー分けしました。オビツ11用の衣装もここに入ってくることになるでしょう。うちは基本、オビツ11は一般的なドールの頭を付けることはなく、イベントの展示用にのっぺらさんをつけるくらいで、写真での紹介はオビツろいどになります。ワンフェスでフィギュア系のお客さんが多いこともあります。
なるべくいろいろ小物も交えた写真を撮っていきたいとは昔から思っていながら、なかなかそうなりません。作ったもので遊ぶから楽しいんじゃないの、とはいかなくて、適当に作る、適当に放置がパターン化しており、写真を撮るのもまた仕事と化しております。作り手が、作ったものを魅力的に伝えるのもまた重要なことではないかと思います。できればですが。

オビツ11やねんどろいどに合わせたものはこのカテゴリーでまとめて見られるようになりました、というお知らせでした。