早稲田大学ツアー 42016/05/08 22:53

5月3日の母校帰りを果たした様子を紹介する早稲田大学ツアー。120号館まで来ました前回、今回は最終回で、昼食をとってから戸山公園を抜け、理工のキャンパスに向かいます。
120の前を通過すると、駅の方へ近づきます。駅近くで有名な店がこれ、メルシー。店の名前から出しているものの想像がつきませんが、本質的にはラーメン屋です。私もここは食べたことがあります。硬派なラーメン屋というより、メルシーな感じです。何と言うか、入って食べると納得させられるものがありまして、隠れファンは多いと思います。
さて、そろそろ昼食をとらなければいけませんが、休みなのでやっている店が少ないです。たまたま、メルシーの近くに、私が学生当時では営業していなかった店を発見しました。しかも油麺です。油麺はこの周囲ではメジャーになりつつあるのでしょうか。他にも油麺の店を見つけました。とにかく、にこにこが閉まっている以上、油麺を食べるなら他にありません。入ってみました。
いきなり食券を買う方式で驚きましたが、店は落ち着いた食堂という感じで、値段も500円と手ごろでした。味はにこにこと同じような、れっきとした油麺で、大変満足度の高いものでした。麺が太くて食べるのが大変だったのだけ気になりますが、休みの日にうまく食事にありつけただけでも幸運でした。
昼食も終えて、いよいよお別れのときが来ました。大学周囲を歩き回っているだけで2時間もたっていまして、ここから馬場へ歩いていくと、ミカドでゆっくり見て回る時間が少なくなります。しかし、大学をここまで見られたなら、ミカドはほどほどでいいかという満足感がありました。7年以上通い、人生の大事な時期を過ごした場所です。それぞれの場所に思い入れがあって、書き尽くそうとしてもきりがありません。校舎の中に入れたなら、きっとまたいろんな思い出が出てきます。今回は文学部に入れなくてもこれだけ出てきましたからね。
それでは馬場に向かって歩きましょう。馬場へ行くには、普通は早稲田通りを直進すればよいのですが、私は戸山公園を抜けて行きます。これは昔、理工のキャンパスに通うために通った道で、せっかくですから思い出の道を通ることにしました。
戸山公園は、戸山キャンパスのすぐ近くにあります。昔の軍事演習場のため、公園は広いです。見ればまたいろいろありますが、今回はただ歩いて通過するだけにします。休日だけあって、公園はいつもより多くの人が出ていました。平日は静かな散歩コースです。
休日らしく、野球をしている人達がいました。それなりの広さがありますので、野球やサッカーなどもできます。他に、花壇のある場所、ゆったり座れる場所など、広々したよい場所です。ここへお弁当を持って昼食を食べに来たこともあります。
戸山公園近くの住宅街は、袋小路になっていて抜けることができません。理工のキャンパスへ抜けるには、この道を通ります。住宅街の公園を過ぎて少し行った先、ここがかつてカラスに襲われた場所です。何気ない通りですが、この付近に生息するカラスに、後ろから頭を爪でつかまれたことがありました。私は自転車で新宿に向かう途中でしたが、カラスの影が私の頭上に現れ、いきなり頭をつかまれました。驚いてうろたえましたが、そのまま走って逃げました。東京都内で人がカラスに襲われる事件は有名ですが、隠れて私も被害を受けていたのです。
ここを抜けると、大きな四車線の通り沿いに、理工のキャンパスが見えてきます。理工で少し授業を受けたこともありますが、理工展や、生協に食事へ来ることがメインでした。理工には理工の生協があり、売店から食事どころまで揃っています。戸山からなら10分程度で来られるので、私はせっかくですから利用していました。ただ、人口に対して施設の許容量が少なく、あまり恵まれているとは言えないでしょう。
早稲田周辺と違い、理工の周辺は周囲の町まで大学と一体になっているのではありません。こうして、道路で区切られた空間に、いきなり大学だけあるという感じです。ある意味典型的な東京にある大学ですが、早稲田キャンパスに出てくる学生も多くいました。中央に見えるのが研究棟ですが、これが非常に高く、土地の狭さを物語っています。理工にもいずれ、校舎の建て替えラッシュが訪れるかもしれません。

目の前の通りを北に行けば池袋、南に行けば新宿です。自転車で何度も行き交った通りです。ここを通って早稲田通りに戻れば、高田馬場へ抜けます。こうして私の母校帰りは一段落しました。しかし、高田馬場に抜けても、ミカドどころか、飲み会で集まった場所、通った場所の思い出ラッシュで、私にはミカドになじむどころではありませんでした。
4回にわたって書いてきた早稲田大学ツアー。見てきたものをまとめておく意味だけでなく、私にとって早稲田大学という場所が、町が、どれだけ特殊な意味を持っているのか知ってもらいたいと思いました。人によって大学への思いはいろいろ違うと思いますが、私にはかけがえのない場所であり、思い出が包んでくれる、あたたかい場所でもあります。早稲田は、卒業している校友であっても、見に来るだけで受け入れてくれます。わざわざ校友向けにそういう日も用意していますが、普段でもまったく問題ありません。例えば自分の高校に戻るとなると、いちいち正面から手続きして、何しに来たのか書かされますが、早稲田はそういうことはなく、いつでも戻ってきていいように大学が整っているのです。それは私が学生であったころから知っていました。懐かしいお店の味を求めて戻ってくる人もいます。図書館では、校友会のカードを持っていれば入ることもできます。早稲田は開かれた大学であることを目指しているので、それも大きいと思いますが、何より校友とのネットワークが大学を支えてきている面があり、それが早稲田たるゆえんでしょう。
知らない人にとっては、早稲田はただの一流大学としてしか映らないかもしれません。確かに入試の現実や、入ってきている学生の現実を見れば、愕然とするくらい優秀な道を通ってきた粒ぞろいです。実際私は大学で、それぞれの高校の話を聞いたですが、まず県内では三本指に入る進学校、その中でさらにしぼられた人間しか入ってきていない印象です。逆の言い方をすれば、粒が揃っているがゆえに、そこから更に抜きん出ることが大切になります。それには大学が提供する多くの資源を活かし、自分で努力しすることです。大学の提供してくれる資源には、校友ネットワークも大きく関わっています。学生のうちは早稲田の力を借りる。卒業したら、早稲田に力を貸す。その関係が、開かれた大学としてうまく回っていると思います。

私なんかは、母校のために何もできていないかもしれません。それでも、自分に十分力が備わってきたら、それはできると考えています。そういうものです。受けた恩がいくらでもあり、大学に行ってみれば、具体的に次々と出てきます。それを忘れることはできません。私は、様々な機会を与えてくれた大学が好きです。自分にとって大切な世界を誰かに知ってもらいたい、それがこの早稲田ツアーの記事でした。
最後に、大学の中にはこうした講演会などの看板があちこち建っていて、こうしたものに自主的に参加することも大切な学業です。看板は昔からこの手書き形式なところに、また安心を感じました。