Homecomming Day 展示2016/10/31 23:20

このところ調子が悪くて、そこをうまく埋めるべく、大学話をしていました。今日もあまりさえてないので、大学でやっていた展示の話をしようと思います。
早稲田の中には展示空間がいくつかあって、特別展示もあります。もっとも手軽なのは図書館の建物、総合学術センターの2Fにある小さな展示室です。図書館所蔵のもの、教授や研究室所蔵資料を主に展示します。本当に小部屋で、それこそ8畳程度かもしれません。ですが、置いてあるものはレアな充実したものが多いです。今回置いてあったものは、戦国期の文書類でした。刀狩令、北条氏政に対する上洛命令書などが特に印象的でした。歴史に名高い刀狩が、書面として残っていて、その本物を見られることに歴史を感じますね。北条氏政に当てた書面は、本来なら氏政にしか残っていないはずですが、同じ内容を諸大名に送り、歩調を合わせつつ、いざという時は協力させる意図があったようです。
歴史的な書面は、それを書いている人がいて、人が生で動き、歴史を動かしてきたことが感じ取れます。私がまだ図書館で働いていたころですが、藤原定家の直筆書を見る機会がありました。私はあまり短歌が好きではなかったけれど、教科書で教えられる定家ではない、生に生きていた定家を感じられて、とても感銘を受けました。ここの展示は面白いものが多いと思います。

演劇博物館はその名の通り、博物館で、一般公開されているものです。今回は一階でやっていた展示だけ見て終わりました。少々力尽きておりまして、見る気力がありませんでした。
会津八一記念館は常設展示と企画展示があります。ここの博物館は私が入学した年にできました。それ以前は図書館として利用されていた建物ですが、小さくて、今の事情に合わなくなったのでしょう。さて、展示ですが、禅の書でした。うーむ、感じたことは、当時の禅の寺では、書がひとつの教養であったのかなと思いました。得手不得手に関わりなく、書を自分で書いて掛け軸にする。それが習慣というか、当たり前だったかもしれません。書としては、良いものもありましたが、歴史的な意味があるだけで、書としてはひどいものもありました。他の人に書いてもらった方がいいんじゃない ? と言いたくなります。歴史的価値だけで、書としての価値がないものですね。そういうものがありました。好きで書いても程度というものが・・・。ということがよくわかりました。
もうひとつ企画展示があり、3D技術でよみがえる九十九里の古墳と埴輪についてでした。こちらは文学研究科考古学でやっている、生の考古学の現場でした。千葉で考古学を感じたいなら、房総の村でしょう。あそこの博物館の展示は、その土地の古墳や歴史を感じさせてくれるので、シンプルですが内容の濃い展示が見られます。今回の企画展示も、何かそういうものを思い起こさせるものでした。展示内容は少なめでしたが、今の技術を見られました。芝山町の紹介もしており、なぜか展示物の中にしばっこが・・・。芝山町のゆるです。ゆるのぬいぐるみが展示されておりました。あまりにシュールすぎます。博物館の展示にぬいぐるみはないなと思わされます。

展示は刺激的でした。やっぱりですね、こうした学問に触れるとですね、湧き上がる何かがあります。自分の中の、学問のアンテナがきっちり戻ります。戻ると感じる違和感・・・。それはしょうがないかな。

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