模型ホビーショー 50.42010/10/28 21:35

第50回全日本模型ホビーショー、報告最終回は「空飛ぶRC」です。とはいってもこの分野、あまり詳しくないのでほとんど感動したものを伝えるだけになってしまいます。
小学校高学年のころ、紙で飛行機をよく作りました。最初は手投げから始まります。でも長く飛ばすにはどうしたらいいかとなって、自転車の後ろにひもをつけて引っ張ることを思いつきます。うまくいけば自転車が走っている間、浮いているはずです。ひもの長さはどれくらいがいいのか、安定して浮いたままになるにはどうしたらいいか、強度を保つにはどうしたらいいか、適当に模索します。残念ながら浮く仕組みまでしかわかりません。後は適当にやっていって、偶然うまくいった方法から次の方法を考えます。
適当な模索はたいした結果を生み出しませんでしたが、少なくとも興味だけは後々まで残すこととなりました。わからなくてもいいから面白いという、単純なものです。やっぱり、物が浮くのは不思議でしょう?

このご立派な操作機で何を動かすのかというと、なんとこのでかい飛行機。その大きさは会場にあるものでも最大級で、人間と比較してもよくわかります。旋回させるにも広い空域が必要で、飛ばすならちゃんと広い場所を選ばないといけません。しかし、それなりに長い距離を飛ばすのだから、操作機と十分なやり取りができなくてはなりません。ちょっとしたRCだと15mとかが限界ですが、これは相当な距離まで安定した通信が行えるのでしょう。

会場にある飛行機RCたち。適当な知識では動かすこともできないし、メンテも不可能でしょう。これを動かせるなら、やっぱり本体にカメラを取り付けて撮影とかしちゃうんですかね。私ならそうします。人が空飛ぶことを夢見ていた時代からは想像も出来ないような技術の集大成を感じます。

空飛ぶRCで多いものはやはりヘリ。回転翼がどれだけの上昇力を秘めているか、竹とんぼが証明しています。動力部の重量より上昇力が上回れば空に浮かび、そこからバランスを調整して各方向に動かす。常に前進している必要がある飛行機とは違い、狭い場所でも飛行可能なことが人気の理由でしょう。ヘリも大きさや仕組みによって値段がかなり変わってきます。

こちらは大きなヘリの内部構造。基部素材はどう見てもFRPですね。必要強度の確保と軽量化を徹底的に図っているようです。写真の品はバッテリー駆動のようですが、回転翼の軸の下に電池が置かれています。重たいものを軸の真下に持ってきて重心の安定化をしていますね。 構造は奥深いです。

かなりアツい映像つきで宣伝していたこちらのものは、小さいながらも本格志向の構造を中に取り入れている高級品です。安全性にも考慮されていて、回転翼はやわらかく、障害物にぶつかったときは外れるようにできています。だから、ぶつかっても回転翼でおおけがをすることはありません。いろんな場所で本格志向を安全に楽しめる、おそらく通のもう一機として活躍しそうな感じです。

昨年同様、見られる機会があまりないのですっかり興奮して見てまいりました。これは売る側にも専門知識がいるでしょうから、わかる人がいないとお店でも売れないでしょう。ちょっと千葉県内でFUTABAの商品取り扱い店を検索。うーむ、やはり個人経営の店が多いようですな。
何となくですが、知識を通して店員と交流のある場を想像するんですよね、こういうものには。こういう時代でも、豊かな経験と知識を持つ人が、生でそれを伝えていかないと成立しない趣味世界、そんな風に見えます。金持ちの道楽かもしれないけど、人間関係はあたたかいのかもしれません。そんな気がします。

4回に分けての報告でしたが、ここで紹介しているのは全体から見てほんの一部です。各所に興味深いものがありまして、非常に有意義でした。自分の知らない世界をいきなり深いところから見られる機会でもあり、いろんな形で作り手と遊び手のアプローチのあり方が存在していました。
大切なことは、細かいことはわからなくても、そんな世界があるというのを知ることではないでしょうか。そこから自分のしていることを比較してみる、メディアの伝え方を考えてみる。こういうイベントは、いい機会があふれているものです。自分の目で見て確かめる、考える。そんな機会がある趣味は、やっぱりいいものだと思います。