模型ホビーショー 50.32010/10/25 22:18

第50回全日本模型ホビーショーの報告、第三回目は「のりものと道具」です。私の中では本家本元のジャンルと言いますか、一番数を作っている分野です。
私が本格的にプラモを始めたのは大学4年の中ごろでした。自動車学校に通い始めてから車に興味を持つようになり、自分が持つならこんな車がいいな、とか考えるようになりました。行きつけの模型店で何となく見た目が気に入った Nissan Fairlady Z の5代目、TAMIYAのものを購入。必要な色を買い揃え、とりあえず作ってみたのが最初です。それ以降、面白くでずるずるとはまっていきました。今では作りすぎて飾る場所がなくなり、作ったまま汚れないように箱入りです。それでも作りたくなるので、最近は作ったら人にあげればいいとか考えるのですが・・・。

Revell より、Audi R8 です。新商品です。エンジンがこんなところに見えるよう載っているのが物語っておりますが、普通の車ではありません。天井やエンジンの一部は仕上げにハセガワの曲面追従シートを使っているようです。ライトの特徴的なLEDの再現まで、Revell なりにかなりがんばっているように感じられますが、どうも私の中では、Revell 製品は微妙に部品がしっくり合わないという印象がありまして、これはどんなところか気になります。

ハセガワより HONDA RS250RW 2009 WGP Champion のカウルを取ってある展示品です。細部まで非常に精密で、もちろんキットそのままの無改造で塗装してあるものですが、省略や簡略化などはないような印象を受けます。なお、これは同社より発売の曲面追従シートの宣伝も兼ねていました。いい材料を使って仕上がりも一段上に、うまい商売してくれます。

FUJIMI では HONDA CR-Z が新商品で登場。ホンダらしく、HVでもスタイルを気にする職人風情あふれる車ですが、早速のプラモ化。試作のためメッキがされていませんが、製品ではライト部分がメッキになるでしょう。外見は文句なしの出来ですね。ちょっと塗りわけが面倒になりそうな気がします。しかし、この手の新車は意外にプラモの購入層が見えないんですよね、どんな人が買うのかな ? 行く末が萌え車のベースになりそうな空気も漂います・・・。

アオシマからはバブリーな一台が登場。ご丁寧にSUZUKI版も用意されていました。しかし、世間一般ではAZ-1で通っているこの車、SUZUKI版はあったのかという感じでした。そっちはプラモ化しなくてもいいような気がするんですけどね。出来はよさそうですが、シャーシがどうなっているのかちょっと心配な部分もあります。
そして はやぶさ 登場。相変わらず人気のようです。NAGAE art さんのところで以前見本を作っていましたが、やっぱり苦労したそうです。ちなみに、やはり NAGAE art さんが新商品HTVの塗装見本を作っていました。なんとなく、はやぶさをやっていたから何かやっているとは思っていましたが、毎度課題が難しそうで、苦労されているんでしょうなぁ。

TAMIYA の精密のこぎり、いいところはデザインナイフなどの軸に入れて使えるところでしょう。この手ののこぎりは手で直接持って使うのが一般的でしたが、やりにくいです。これは使いやすそう。しかし、使用例にはびっくりですね。車のドアを切り抜くのって決して簡単ではないんですが・・・。道具だけいいものでもだめですね、使う人間の腕も確かでないといけません。

こちらはピンキー・・・ですが、見るのはそこではなく、これはGSIクレオスが新しく出したパール塗料の塗装見本です。フィギュアの塗装に使うとこんな感じになるという見本のようです。従来のパールよりもキメが細かくなり、色合いもよくなりましたということなんですが、実を言うと私自身パール塗装をあまりしないもので、ほとんど縁がないかもしれません。
一応、パールはイリサワのMGパールを使っています。MGユニコーンを作ったときに、フレームのガンメタルを出すのに使いました。それ以来使ってないですな。でもまあ、こういう塗料があるというのを知っておくことが大切なんですね。必要になったときに使おうと思いつきますから。

会場にはいろんなものがありましたが、気になったものだけ写真に撮ってきました。車やバイクは、モデル化されて需要のあるようなものはすでにモデル化され尽くしていて、新車をモデル化するか、金型を新しくするぐらいしかもう商品が増えません。ある種の飽和市場となっています。そして、新車は定価が高くなる傾向にあります。作り手も減っているかもしれません。
のりものは身近なものですし、資料も集めやすく、作り応えがあります。内装の塗りわけを実車に近くするだけでも実感はぐんとあがります。さらに車は、シートを交換してみたり、内装を一部変更してみたり、余った部品で簡単に自分好みにできる面白みもあります。何かの機会にちょっと気になるあの一台を作ってみるというのはいかがでしょうか。楽しいですよ。

道具類も会場で多く見受けられました。道具はものづくりの基本であり、ないと始まりません。基本的なもの以外にも、より上のランクを目指すとき必要となるものもあります。どんな道具が世の中にあって、何が出来るのか、こういう機会にあらためて知っておくと、いざ困ったときに道具が助けてくれるかもしれません。

次回で報告は最終回です。