祭り気分にはなれない2016/11/06 23:22

ええ、Game Legend 25 は無事にすべてを終えて帰ってきました。ドーピングをしていって、なるべく疲れを残さないように対策を取っておりますが、残念ながら興奮だけはどうしようもないので、日数をかけて取っていくつもりです。
うーむ、終えてみて、今回はなるべく多く買い物をしました。前回絞り込んでしまい、イベント後に見るものが少なくて悲しい思いをしました。なるべく楽しめるよう、興味を持ったものや、見ていて面白そうなものを買い、次に備えることは重要です。あと、買ってサークル活動を支える側に立つのも大切かと思いました。
サークル参加をしていると、一応手伝ってくれる仲間がいるとはいえ、まかせっきりにすることはできず、ほとんどの時間を自分の配置場所で過ごします。買い物や見物にかけられる時間は限られ、その点は大変ですが、なるべく買う人がどういう買い方、組み合わせとか、いくつずつ買うとか、場合によっては意見を聞けることもあり、その場でいることは価値があります。サークル活動としては、時に待つことも必要なのです。今回その成果は少ないながらもありました。こと、ゲーマー魂第3号だけ買っていく人は、新刊を求めて買いに来ている可能性が高く、レギュラーのお客様として期待できます。もちろん、創刊号や第2号を買って、次はいらないと考えた人もいるとは思いますが、買ってくれる人がいるのは救いです。
でもやっぱり、この状況を素直に楽しめるかと言うと、それはありません。収入より苦労の方が多いです。赤字という意味ではなく、状況を楽観してサークルを続けられるほど、今のこのイベントには余裕がありません。人は確かに増えました。人が増えたから比例して売り上げが増えてきたのかと言うと、昔と変わらない、むしろ相対的に減っていると言えます。ひとつは世代の問題が考えられます。家庭用ゲーム機を中心に育っている世代が、お客としてもサークルとしてもたいして増えていません。それは長くやっていて感じます。増えているのはそこより上の世代で、アーケードやホビーパソコン世代は逆に急激に増えてきたと思います。これには世代ごとのゲーム受容姿勢の違いもあるでしょう。
例えば、私が小学生の頃は、どこの家に行ってもファミコンがありました。あるのが普通で、特別な趣味でも何でもありませんでした。そして、大きくなってもゲームで遊び続けているのかというと、そうでない人はたくさんいます。アーケード世代は、自分から動いてゲーセンに行き、時にコミュニティに加わることで、楽しんできた人達です。つまり、ゲームが趣味とか、ゲーム好きなのです。家庭用ゲーム機が普遍化することで、趣味であったことが一般化し、趣味として求める人が減った可能性があります。その世代がこうしたイベントに集まると、アーケード世代より数が少ない、そうなってもおかしくありません。あれほど強大であったファミコンが、なぜかイベントに来ると、ファミコンを強烈に求めているという人が目立ちません。ファミコンアイテムはグッズ系に多く、攻略や論評系には少ないです。
別に、実機を動かして今でも遊ぼうとする人も減ってきた印象があります。ファミコンひとつでも、10年前はファミコンのできる環境が普通に残っていましたが、テレビが変わることで、遊べる環境を失ってしまう人が出ていると思います。私は持っているのがNewファミコンのため、出力にRCA端子があって困りません。ところが、それ以前のファミコンはアンテナに直接入れますので、地デジの今のテレビで使うことはできません。それがいやなら、改造するか、ファミコン互換機を手に入れることになります。古いゲーム機を稼動させるなら、古い環境も必要です。こうしたことが面倒になると、ファミコンそのものを動かさなくなります。昔はファミコン攻略をやるとすごく人気で、試したいという人も多くいましたが、あのころから比べると、実機を動かす人が確実に減り、同時にイベントでの興味対象から外れることもあるでしょう。一方で、ホビーパソコンを使っている人は、今でも起動できる環境をしっかり持っている人が多いようです。これも、家庭用の中での受け入れられ方の違いがあるのではないでしょうか。
訪れる人も細分化しています。私はゲームなら家庭用業務用問わずビデオゲームから電子ゲーム、エレメカからホビーパソコンまで、幅広くカバーするタイプですが、特定の分野のみという人もいます。昔のGame Legendは、イベント規模が小さくて、特定の分野のみ興味がある人は楽しめませんでした。今は規模が増えてサークルが増え、狭い需要でも十分支えてくれるようになっています。なので、増えるところは増えるけど、増えないところは増えないことにもなるでしょう。
私は家庭用のメジャーなゲーム機中心で活動しておりますゆえ、現状はイベントの中で衰退しています。人がいないわけではないけれど、人の興味をどう集めていけばよいか、どんな本を作り、どんなものを扱うべきなのか、正直息切れです。どんなものでも興味を持ってもらえることがなくなり、専門性を高く持たねばならなくなりました。論評も攻略も、半端な気持ちではやれません。嫌いじゃないからやっていますが、人に勧められる活動ではないです。まずは終わった安心感こそありますが、決してお祭り気分にはなれません。