仮でも色が付けば・・・2010/03/26 23:21

さて、プリキュア先生も無事仮の塗装が終わり、組みあがりました。トレフェス実行委員会の方にはすでに写真を送っているので、本申請再手続きはこれにて完了したことになります。ああ、もちろん普通に送りませんでしたけどね。東映アニメーションのやっていることが誓約書をかたに取った横暴だってことを、個人的愚痴としながら、著作権法の目的理解も含めて理路整然と実行委員会に伝えておきました。別に東映に声が届くわけではないですが、版権利用者にも立場と権利があることを示すのは当然ですので。実行委員会は黙して手続きを進めたほうが無難でしょう。こういうやつにやたらな返信はしない方が利口です。私はなめると怖いんだよ・・・。

原型師としては今回の作業で得られるものがたくさんありました。まずは製作途中で塗装した今回の品を見ていただきますか。
表面処理やグラデ塗装、影入れがしっかりしていないのでのっぺり感はありますが、思いのほかいい感じになりました。こうしてみると表面処理や細部をくっきりさせることはフィギュア表現にとって命であることがよくわかります。そこが欠くだけでだいぶ安っぽい、がさつな作りに感じられます。ただ、今回は申請用にやむを得ず塗装したものですから、今の段階でできたことを見れば納得できる仕上がりといえるでしょう。
修正点も一部まとめました。
顔を作った粘土がやわらかいため、口や目の周りをシャープに造形できず、顔はまだまだ課題が残ります。これは粘土を一度削り、また盛りなおすほかありません。上記写真の修正案以外に、口周りももうひと削りしないと顔がのっぺりした印象になりますね。顔の造形にメリハリがなかったのが、彩色によってはっきりしました。重点的に直しましょう。イヤリングとポーチのひもにレジン以外の素材を使うのがミソです。こういった工夫ができるのもGKならではの楽しさでしょう。

いちいち書きませんが、この作業を通じて残された課題がだいぶはっきりしました。うさん臭い流れではありましたが、原型師は造形に対してとことん前向きに取り組みます。さあ、遊んでばっかりいないで必死に進めますか。

趣味でやっているけど、やっぱり企業との関わりとか、責任が出てくるのですよ。それが当日版権を背負う意味。そこは遊びじゃ済まされない。今回は直でリアルな事態でしたね。よりよい造形のため、工夫して、苦労して、その結果、版元も実行委員会も私もよかったと思えるようにしたいです。
少なくとも、キャラ萌え感覚で東映の作品を元に作れば、今後絶対泣きを見ることだけは確かでしょう。相手を納得させられ責任をもてるかは、自分の作品が社会性をおびることですからね。それに対して東映は厳しいです。何事もなくぱっとこなした今回のこと、やっぱり慣れと自信があったからこそ乗り切れたのは事実なので、いい経験になりました。