PBの暗い影2010/02/01 23:50

まあ、こういうやつらがやがてPBで猛威を振るうと思うと、恐ろしくてPBなんてやってられないわけで・・・。
PB専用にこういう神姫を育てるなとは言いませんが、参加者の士気を大きくそぐようなやり方だけは勘弁して欲しいものです。すでにこういうのの育成に付き合せれているこっちは十分士気が下がるものですゆえ。

んまあ、対人相手に「~稼ぎ」とか絶対やらない人間なので、こういうのはうんざりするわけですわ。え、なぜやらないか、当然でしょう、相手が人間だからですよ。生粋のゲーセン対戦台人間なもので、ゲーセンで嫌われることはここでもやらない主義です。ここはゲーセンと違います ? うん、その考え方が杖子とかを産み出したと思ってる。

ワンフェス 総評2010/02/08 23:22

ワンフェスに行ってきました。っていうか、当たり前のように毎度行っているんで、とっくに慣れました。幕張メッセで会場近いぜうほほーいでしたが、強風にあおられ、駐車場から現場への行き来に苦労する一日でした。ほら、買い込むと荷物を置きに戻るんですよ。

今回のワンフェスは版権アイテムが五件に限定された割に、参加ディーラーが過去最高数というワンフェスでした。
相変わらず海洋堂は、エスカレーター事故以来、より明確になった、運営上の問題を参加者に押し付ける海洋堂のままです。つまり、運営は何も変わっていないというところなんですね。

ディーラーは確かに増えましたが、会場での絶対作品数はかなり減った印象を受けました。さらに、ディーラーが増えたといえ、目立って増えていたのはTOYディーラーでした。昔は純粋なGKをA、TOYをC、中間的なものをB、企業はDという配置だったのですが、今回はごちゃまぜで、会場の出口に近い列がTOYになるような配置でした。TOYの多さには本当にびっくりでしたよ。

GK分野ではかつて目立っていた Pinky:st の取り扱いは激減、その他版権小物アイテム類もほぼ駆逐され、GKについては平均的にならされた感じです。生産力のある人はたくさん作品を作って展示するスタイルから、ある意味どこも同じにされたわけで、それによって洗練された風もなく、うまいところはうまい、下手なところは下手という宿命から何も脱却できませんでした。

可動素体も一時期より減ったほか、小さい作品を作るところも多く見られました。どちらかというと、WFにあまり一般参加すらしたことなかっただろう人たちも新たに入ってきた感じで、かつての独特のプロ意識は薄れ、軽いお祭り気分の人たちも見られました。

PVC完成品が普及した関係で、フィギュア作りそのものに興味を持つ人もだいぶ増えたようです。しかし、それが高い造形意識につながっているかというと、キャラ愛で止まっている印象の人々が現れましたね、これは作品を見ればすぐわかります。見ていて話を聞きたくなるようなディーラーの数というのは、絶対数に変化はない印象でした。キャラ愛で止まっていた人たちがどれだけ本当に造形へ興味を持つかでまた世間は動くでしょう。

Wonder Show Case ですが、そもそもこれが持っている意味は何なのか疑問ですね、相変わらず。WSCに選ばれるものは、PVCで他社により量産されないものなんですよ。つまり、WFで見つけられたいい作品がPVC量産にこぎつけた場合、それはWSCに入らない。別の見方をすれば、WSCは海洋堂が自分で見つけた量産しても良いフィギュアなんです。まして、この数年傾向が似ており、いわゆる流行の絵質をまんま立体にした感じで印象がやわらかいものに傾倒しており、WSCは洗練された造形というよりも時代を反映したものを選んでいるように見受けられます。海洋堂はこれを自慢げに語りますが(いいものを安く提供するのに苦労したとか、そんな話ばっかり)、海洋堂の態度は怪しいので信頼できません。これも結局は商業ベースだと思います。

個人的にはやることやって、買うもの買って満足できるWFでした。ただ、変化は感じます。WFは今変動期ですから、また数年すると落ち着いてくるでしょう。当分、私はトレフェス参加でいきますけど。早くて来年かな~、ワンフェスは。おもしろいことはいくつもあったので、回を分けて適当に書いていきたいと思います。

神姫のパーツを扱っているところもありまして、そのままオフに流れるのか、分離して行動しているのか、とにかくわからないけどまとまって話している人たちが多かったんですが・・・ごめんなさい、あの空気、やっぱり入れません・・・。私も神姫をいじっていますが、愛を注げる対象じゃないんですよ。おもちゃの域をまったく出ていない。それはOnlineでも同じで、神姫とルナマリアのどちらを愛しているかと聞かれたら、やっぱりルナマリアなんだ・・・。
以上、報告第一回 総評 でした。

SS掲示板 投稿一周年2010/02/10 17:04

ワンフェスの報告もありますが、去る1月30日にSS掲示板投稿一周年を迎えたので、そっちを先に記しておきます。時期ってものがありまして。まあ、ワンフェス報告といっても会場での写真は一枚もありません、カメラを持っていっていませんから。実際行くと、なかなか写真は撮っていられないものです。後で専門誌がいくらでもいい写真を出してくれますからね。
さて、公式に行けば全部見られますが、選抜して一周年になるまでの作品を並べてみました。
自分にとっての本当の始まりは「Fine Play」からだと思っています。ビーチバレーのやつですね、ここから作風が完成してきた感じです。これは思い入れのある一枚で、第13回コンテスト一次予選を突破しました。一次突破しても何ももらえないんですよ、せめて福引券くらいください。

最初の一枚が「雪山攻略」だったので、それの続きで一周年「雪山攻略 2010」を作りました。スノボ他、BRではあまり使わなさそうなアイテムがたくさん冬フェスで手に入り、ここはジオスタの出番だぜ~で、うまくできたからノリで投稿、面白いので本格的に始めてみたら一年。長かったですね、この一年は。

さてさて、こんな場所でないと無理なので、どうやって私がSSを作っているのか軽く紹介しましょう。例に使うのは最近紹介した「H.E.」です。
SS掲示板にはこう書きました。

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長年SSにしてみたい技だと思いつつ、どうすれば迫力出るか考えた末、対角線上、つまり画面で一番長く取れる直線の上に脚を合わせるのがいい方法でねぇかと思ったわけです。それに遠近法でパースをつければ、後はスキマ埋めて出来上がりだべさ。
何も一日にして生まれたものではありません。ここに至るまでの着想というのがあるのです。
MAZDA official Web site より、一部の写真抜粋です。走っている感じを強めるために、カメラをわざと傾けています。これが地面と水平だったらこれほどのスピード感は出ないでしょう。
これはRX-8紹介のTopですが、やはり傾けています。傾けることでスピード感や走りを予感させる演出は、日本の自動車会社の中でもMAZDAのWebが最初だったと思います。同じMAZDAの中でも、SportyあふれるRX-8と他のものではまた違います。
比較対象として、VERISAです。上質コンパクトだけあって、印象は走りよりも高級感に重きが置かれています。走りを強調する zoom-zoom だけ斜めで、ほぼ水平が保たれています。
つまり、斜め方向を生かす演出でH.E.を作れば、速さや動きを演出することができるでしょう。それには脚を対角線に持ってくるのが最良だと考えたわけです。足技を見せるわけですから、体が対角線にあるより、脚が対角線にある方が演出的に自然ではないでしょうか。

奥行きに対する着想です。
効果を取り払い比較したものです。上がSSとして使った形、下がリアルな配置です。つながっている剣を回転させると、リアルな形状を維持するなら、下のようになります。しかし、これでは剣が回転しているようには見えにくいです。
そこで、もう一本の剣をリアルな位置より前に置き、カメラの位置からなんとなくつながって見えるように調整します。それが上のものです。本来奥にあるものを手前に持ってきてパースをつけることで、対象物を長く見せ、迫力を与えるのです。なお、この場合にはこうする利点がもうひとつあります。
全体が星型のシルエットに収まるよう考えましたが、剣を前に出すと、シルエットが下のように平面一枚に収まらず、こちら側に飛び出してきた、別の物体に感じられることです。本来なら平面的になってしまうシルエットが、星型の紙にもう一枚の紙を貼り合わせ、手前に立たせているような感じに見えるのです。ゆえに、奥行きが非常にはっきりします。

こうした着想が一枚に収まったのが「H.E.」なのです。「H.E.」でも、どこが黄色い線で囲まれる部分、どこが水色の線で囲まれる部分か想像してみてください。奥行きがはっきり見えるはずです。
私はこうした知識と経験の積み重ねがセンスだと思っています。生まれつき持っている感覚でこれができるなら天才と言えるでしょうが、少なくとも私は否です。いきなりやっても出来ない部分を持っている知識や経験、理論で補っていくのが私のやり方。だから、センスを普段から磨くのを怠ってはできません。
センスは磨くものだと思っています。天性のものを持ち合わせてなくても、努力で自分の個性を引き出すことは誰にでもできるでしょう。その努力をできるかできないかが好き嫌いです。また、努力は数でも時間でもありません、質です。一の学習を十繰り返すより、十の学びを一回した方が身に付きます。

最近はカッコイイとかアクションに走っているので、もう少しいろんなものを作れればいいかと思います。それと、一体しか写ってないものが多くて、もっと組み合わせ方も学んでいかないといけませんね。同じ作風の中にも変化があるからこそSSは楽しい、さあ、今からでも遅くはありません、ジオスタ民になりましょう。

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ワンフェス報告 GK部門 P12010/02/15 23:54

GKとは Garage Kit の略で、ガレキとも言われます。定義の範囲はどこまで言うのかわかりませんが、常温で反応して固化するレジンを使った組み立て式キットと言うのが妥当かもしれません。プラモはプラでできているからプラモなので、プラモはGKに入りません。

GKもプラモも同じ組み立て式キットですが、プラモは製造に専用機械や金型が必要になるのに対し、GKはシリコンで型を作り、そこに二液性レジンを流し込んで固化させるので、ちょっとした知識と道具があれば誰にでも作れるのが特徴です。そういう理由から、少数生産を基本とする立体物製作に利用されています。

ワンフェスは、この個人製作のGKや会社で製作したGKを売るのが目的で始まったイベントで、現在はトイ、ドール、その他アクセサリーや金物、彫刻なども扱われ、立体物のフリマといった形に進化しています。もちろん、GKが大きな割合を占めることは言うまでもありません。

ワンフェスで個人製作の立体を売るとき、それが二次著作物に当たる場合は、当日版権申請もしくは独自版権取得を行わなければなりません。
周知の通り、他者が版権を持つものを無断で製作して販売することは犯罪になります。同人誌も法的には黒ですが、それを黒としないのが日本のよいところ、つまり、創造文化を維持することが知的産業への発展につながることを知っているマンガ・アニメ・ゲーム業界が暗黙的もしくは公然にOKをしているから成り立っているのです。
しかし、立体は勝手に作れません。その代わり、自分で版権元と交渉して版権を得るか、当日版権という、その日一日は版権元から許可が下りて自由に販売できる手続きを踏めば販売できます。つまり、当日のみとはいえ、版権が下りることは、それが版権元が認めた公式の製品となるわけです。当然、タダではいきません。製作物を写真審査してもらい、OKが出たら製造数に応じて対価を数%払うことになります。なお、武装神姫のように、対価0%というものもあります。

だから、コミケなどの同人イベントと異なり、責任を持って創作し、販売することが求められます。仮に当日までに製品ができなかったとしても、サンプルを提出(通常は写真)することは必須で、何にせよ許可が下りた製品については必ず製作しなければなりません。「新作おちました」なんてことはありえないのです。「版権おりませんでした」はありえますが、おりた以上は、責任の大きいものとなります。

会場では多種多様な人たちがGKを作り、販売しています。ここ数年のうちに広がったPVC完成品により、フィギュアという立体物は一般化したものの、一方で立体物に対する理解は思いのほか進んでいないようです。この数回のワンフェスでは、企業がそこで限定販売するPVC完成品に群れができ、それを買ったら帰ってしまう人達が現れました。作る楽しみを共有できるイベントにそれはないだろうと思って見ていたのですが、幕張に移動してからは企業も自粛したようで、すぐに帰ってしまう人はかなり減りました。

PVC完成品市場は、現在売れるものと売れないものの売れ行き差が激しいことで有名で、業界では問題にもなりつつあります。立体として完成度の高いものを求める人より、フィギュアをグッズの延長として買っている人が多いことの反面が噴出しているようです。そのため業界では全体の生産数を減らし、リスク回避の傾向に入り、市場縮小が危惧されているのです。

実際の会場で見られた傾向は、新しくフィギュアに興味を持ち自分でも作ってみたが、興味のあるキャラを作って満足している人達と、造形の趣旨をとらえ、様々なものに挑戦する人達の二派が大きく開いてきている印象を受けました。ワンフェスに私が初めて行ったのは2007年冬ですが、このころは並ぶことなく入場でき、会場の空気もプロ意識の高い張り詰めたものがありました。それが明らかに数年でぬるくなっています。

当時は完成品PVC市場が発達期で、今ほど種類も数もありませんでした。今は何でもすぐ立体化されますが、そういうこともありませんでした。やはり市場の変化は大きいでしょう。

立体製作はものすごく難しいものと考えている方がいるかもしれません。しかし、それはウソです。少なくともデッサンについては、絵を描くより立体の方がはるかに楽です。昨今はフィギュア製作の本も出ておりますし、練習をすれば誰でも作れるようになります。でも、自分の好きなキャラを立体化してみたい、それだけで立体を作るならば、自己満足のいくところで終わってしまうでしょう。立体にはそれを見定めるための目と知識が必要であり、そこを磨いて初めていい立体が作れるようになります。そのステップに進めなければ、作る楽しさを理解できないでしょう。

私はかつて上野の国立博物館に、友人と仏像展を見に行ったことがあります。目的は仏像の何たるかを知ることもありましたが、友人を立体の良さに目覚めさせる目的もありました。仏像がどうやって作られるのか、練習で作られたもの、国宝、民間での簡単な利用目的で作られたもの、はやり国宝に選ばれるものは、歴史的にも美術的にも優れたものだと震撼しました。立体を見る目では、仏像もフィギュアです。仏という決まったテーマでいかに作るのか、多くのものを学べました。

立体が好きな人は、仏像にも興味がわきます。でも、キャラが好きで立体を作った人には、仏像など関係ないと思うかもしれません。しかし、日本で代々作られてきたフィギュア、仏像は、今でも多くのものを語りかけてくれます。立体の何たるかに興味を持てるか、ここで出来上がるものに大きな違いが出ます。

考えられて作られているものは、まずデッサンが正確です。顔もしっかり作られ、手の表情も豊かです。いろんな角度から見ても情報を均等にし、作り手の個性が見えます。メカでも同じです。いや、むしろメカは難しいですし、プラモも多く出ていますので、作りたい人だけが作るメカは質の高い傾向にありました。

キャラ愛に走っているものは、うまい表現よりも自分の好きな部分に固執しています。デッサン云々より、その格好をしていればいいというのがあふれています。自分の好きなキャラが、自分の好きなポーズをしていれば、それで終わっています。えてして塗装も非常に雑です。

GK製作への入り口は、昔よりもずっと広くなりました。しかし、版権を取って公式物として売ることは、単にキャラ愛で作ってグッズの延長気分で売ることとは責任の重さが違います。それを自覚していない人が目につくようになってきたのは危うさを感じます。もちろん、新しく入ってきた人達にも意識の高い人達はたくさんいました。この辺は、時間で淘汰されていくのかもしれません。立体製作にかかる手間はあまりに膨大であり、本当に好きでないとやっていけないでしょう。

長くなったので続きは次回です。