難易度を考える2012/05/07 23:59

全身疲労はありませんが、部分疲労がたまっています。同じことを毎日やるうえ、結構な肉体労働でもあり、腕に疲労がたまるんですな。残念なことに木工で使う筋肉は日常生活であまり使う筋肉ではありません。私はそれを「やすり筋」と呼んでいますが、木工の基本であるやすりがけで鍛えられます。のこぎりを使う場合も同じやすり筋の仕事です。握力も重要ですね。
そんなこんなで腕が痛い今日この頃ですが、話題は変わってこの前友人Tと出かけたときに中古で100円で買ったゲームの話を少し。
ふたつ並んでいますが、買ったのは Seed の方で、Seed Destiny はずっと前からあるやつです。ゲームとして重要なのは「連合 VS ZAFT」の部分で、これの初代か II かというのが決定的な区別です。II は初代の上位互換みたいなもので、基本的なシステムや操作感はそのままに、アニメに対応したMSやパイロットの追加、遊べるモードの追加のほか、バランス調整が行われています。
するとなぜ初代をあらためて買ったかというと、こちらはゲーセンで少しやりこんだ程度の経験しかなく、ここは買って初代帰りをし、このゲームの作りを見直そうと思ったからです。このゲームを作った人たちは何を考えて作ったのか、そこを知りたいのが私の性でございます。

とても細かい話はやっている人しかわかりませんので、大雑把な話をすると、超決定的な違いは難易度にあると思います。II の方がずっと難しくなっております。CPU の思考ルーチンも差を感じますが、敵の出現数や地の利の利用など、敵の数が増えた難易度上昇ですね、これを感じます。逆の言い方をすれば、初代の方が簡単です。
そんなたいした問題じゃないと思うでしょう。ところがですね、II にやりなれていると、初代がぬるく感じます。一人用もそんなにきつくないのですが、二人でやるとなおさら楽に感じます。二人ってのはいつも姉とやっております。共に熟練者です。
二人用を二回やってみて、あまりに簡単すぎるので、8段階で調整できる難易度を最高にしてやってみましたが、やはりあっけない・・・。確かに敵の動きも強くなっているけど、こちらがうなるような動きはしません。二人用ではまだ三回だけだから何とも言えませんが、あまりに簡単すぎるとやりこむ要素がなくなってしまいます。II が難しくなったということは、開発側もこのことを感じていたのに違いありません。しかしあまりに難しくしては初めてやる人ができなくなってしまいますから、初心者でも少しずつ上達できるモードも登場しました。この結果、II はかなりやりこみ要素が増えています。

このゲームのよいところは、ゲーム内で難易度調整をすると敵の攻撃力や耐久力が上がるのではなくて、あくまで思考ルーチンで処理しているところです。若干敵の Boost 量が多くなる気もするんですが、確証はありません。難易度をゲームの中でどう設定すべきなのかはとても難しい問題です。
元がゲーセンでの対戦向けソフトであるため、難易度上昇 = 相手が上級者という設定は正しい選択だと思います。しかしながら、対戦モードでは攻撃力や耐久力を調整できるようになっていて、プレイヤーの実力を均等にできる方法も考えられています。
もしこうじゃなかったらどんな風になるかを考えれば、開発者のとった選択が実に優れているかよくわかりますが、忘れてはならないのが思考ルーチンで強くするということが、とても難しいことです。ただ敵の攻撃力が上がるだけなら、簡単な数値設定で終わります。でも思考ルーチンの実力上昇は、このゲームがうまいということはどういうことなのか、上級者のテクニックは何なのかを開発者が見極め、それを複雑な中から取捨選択するプログラムも必要です。これはそう簡単に作れません。II が出るころには世間のプレイヤーのレベルも上がり、初代開発当初ではわからなかったテクニックも生まれるでしょう。そこを汲み取って思考ルーチンを強化するのも難しい作業です。初代と II の難易度差は敵の数とも言いましたが、どれくらいが最適なのかを調整するのも、大変な作業であるといえます。

この二連作をとってみて、やはり発見はたくさんありそうです。こういう話はまたA先生と会った時のためにまとめておきますかね。