スマブラが教えたもの2011/03/09 23:55

資料を見ようと思って久々にスマブラDXを起動してみました。WiiだとGameCubeのものがそのまま遊べます。Wiiで無双をやるときもCubeの操作機がそのまま使え、基本的に本体へ差しっぱなしです。ちょっと見たいものがあってスマブラを持ち出しましたが久々に少しやってみました。
悲しいことに、体で覚えているからあまり下手になっていませんでした。やっているうちに相手の動きが見えてくるようになり、まだいけることは確信しました。スマブラDXというのは、いろんな意味で友情関係を新しく作り直したゲームだったと思います。

今は昔、A先生が酔った勢いでGameCubeを買いました。更にスマブラDXというゲームを買ってうちに持ってきたのです。私はそのときに合わせて、コントローラーだけ買っておきました。みんなで集まって対戦をやったら最後でした。勝つために、最終的にはみんなGameCubeとスマブラを買うこととなり、隠れてみんな必死に修行をしました。そうしては会って対戦して実力を見ては、また戻って修行の日々が続きました。
結果、普通に上手なレベルではとても入れないほどおかしな戦いになっていきました。そして中から「伝説の三忍」を名乗るものが現れました。伝説の三忍は、周囲から大蛇丸の称号を受けました。大蛇丸はその技量の高さもさることながら、何よりおそれられていたのは相手の心を責める戦い方でした。それは誰が見ていても「いやらしい」のひとことに尽きるものです。裏ワザやインチキを使うのではありません。ゲーム内において、やられたらつらいことを確実に狙ってやってくる、さらにそのためのリスクもまったくかえりみないやり方、リアルに交わされる言葉責め。それに負けると異常に悔しくなり、力押ししようにも技量が高くて倒せない。かけひきのうまさと技量を巧みに使ったその戦法は、周囲を恐怖に陥れたのです。
このゲームにはアイテムにポケモンが登場します。それぞれいろんな効果がありますが、ボールから出した人はそのポケモンの攻撃が当たりません。例えばエンテイを出すと、エンテイの近くに火柱が発生します。ここに捕まると連続して大ダメージを受けます。いい作戦は、相手を投げてエンテイの炎に巻き込んでしまう方法です。ここまでは普通です。でも大蛇丸はそんなところでは終わりませんでした。自分で出したポケモンをいいことに、炎に巻き込まれて動けなくなった相手をつかみにいき、火柱攻撃に加え散々殴った後、画面外に投げようとします。ところがすぐには投げず、相手が振りほどこうと必死にもがくのを見てから投げます。大蛇丸とはそういうプレイヤーでした。

大蛇丸を倒すため、ついには全国大会ベスト16の選手が投入されました。しかしあまり効果はありませんでした。結局、大蛇丸の強さは全国級だったという箔のもと、ブームは終了したのです。しかし、このゲームを通じて、互いの本質的な部分がよく見えました。普段表に出ないことでも、対戦ゲームをやると見えること。お互いそれを見てから人間関係が建設的に再構成された気がします。

これのおかげで、伝説の三忍の使っていたのがマリオだったため、マリオに対するものすごくNegativeな印象が仲間内に植えつけられました。伝説の三忍は、今でも「Mr.マリオ」のレッテルを貼られたまま、ことあるたびに持ち出されています。おそらく今後、みんなで集まってスマブラをやることはもうないのかもしれません。むしろ禁止さえされているような空気があります。それは生産性がないとか、そんなところより、人に見せなくない部分が見えてしまうからでしょう。
でも、しがらみなしで久々に一回やってみたくなりました。みんなどう変わったのかを見るために。あ、しがらみなしになってない・・・。