限界鉛筆の作り方2011/02/20 14:24

絵を描くときは必ず鉛筆を使います。小学校のときからずっと、筆箱の中は鉛筆でした。中学生ぐらいになるとみんなメカペンを使い始めるのですが、私は永遠の鉛筆派。大学以降は筆箱を持ち歩くことはなくなり、ボールペンだけを潜ませて使っていますが、絵を描くことが多い私は今でも鉛筆が必需品です。
で、鉛筆は使うと減っていきます。じゃあ、どこまで使えるのかというのが今回の話題です。中学のころからためこんできた、使い終わった鉛筆の墓場があります。
結構な数です。最近は鉛筆の在庫も少なくなって、種類は uni に統一されつつありますが、昔は中途半端な鉛筆を使い切ることに必死でした。どこまで使ってあるのか、よく見てみると・・・
こんな感じ。左側3本が古い時代のもので、まだ削れる部分が残っています。時代が進むと限界までいきます。最終最後までどうやれば使いきれるのか、ここにはひそかな技術進歩の跡があるのです。ここまでいけば十分神の領域に入っているでしょう。ではどうやればこうなるのか、解説をしばし。
短くなると持てなくなりますから、短くなってきたらキャップをつけて持ちます。ところが問題は、鉛筆削りで削れなくもなってくることです。そこでこのように、短くなった鉛筆同士をつなぎ合わせます。こうすれば長さが確保でき、削ることができます。 uni の系統は、鉛筆の末端が曲面になっておりますので、その部分はやすりで削り落とします。
今は木工用ボンドで接着していますが、昔はテープでとめていました。テープの接着面が残ってしまうのが、上の写真左側3本のものです。この時代は末端の曲面も削り落としていませんでした。その分不安定で、使いにくいし、どうしても若干残ってしまうのです。そこで曲面を削り落とし、接着する方法が生まれました。Hi-uni など、末端が樹脂のものは瞬接でつけます。
さらに短くなってまた削れなくなってきたら、今度はある程度長さのある鉛筆の末端とつなぎ合わせます。後はこのまま使っていけばいいのです。
これ以上使うと、補助でつけていた鉛筆を逆から削ることになります。ここが限界です。補助でつけるのを鉛筆ではなく、6mmラワン丸棒を使えば最後まで使えますが、そこまですることもないでしょう。最後に鉛筆を切り離せば、上の写真のような限界鉛筆が完成します。今写しているのは、ちょうど最近使い終わった鉛筆たちです。
短い鉛筆を使うには、必ず補助芯を使います。これがあると不意に接合面で鉛筆が折れることも少なくなります。まあ、接着しているからそう簡単に折れることはありません。ただ、補助に使う鉛筆が、補助芯に入る長さでないといません。要は補助用の鉛筆は必ず用意しておけということです。

鉛筆を最後まで使うことの奥深さが理解していただけたでしょうかね。物を大切にするというのとまた観点が微妙にずれている気もしますが、結果的にはそうなっているからいいでしょう。鉛筆を使っている人は是非まねてください。ああそう、この鉛筆たちは、私が死んだとき、一緒に焼いてもらおうと思っています。共に生き、世に何かを残した記念として。

コメント

_ 院狐 ― 2011/02/23 00:38

この補助芯は懐かしいですね(^^
つなぐということは、やらなかったので補助芯で保持できる限界(3~5mm)までしか
使ってないですね。
うちの母親は、さらにナイフで削れる限界まで使う人なので、
全長で8mm~10mmくらいの使えなくなったミニ鉛筆が保存されていますね(^^;

_ きしもとまさき ― 2011/02/24 00:18

限界の長さは鉛筆削りだと刃のストロークで決まってしまいますから、私は鉛筆そのものの長さではなく、削れる部分の長さを見ています。ナイフで削れば、この方法を使うとほぼ消失段階までいくでしょう。なんにせよ最後まで使う努力は何か大切なものを教えてくれると思います。
補助芯が最近レアなアイテムになりつつあるのが私にとっては悲しい事実です。メカペンより鉛筆の刺激に勝るものはありません。

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