なぜ嘘をつくか2017/11/26 23:42

今日の新聞を読みますと、宮内庁管轄の何とか天皇陵という古墳に歴史的な裏付けがなく、実際の歴史と一致しない点が多いのに、一般人は一切立ち入り禁止で調査できない問題が出ていました。もうかなり前から言われていることです。20年くらい前にもそういう話はすでにありました。が、そうした古墳のうちのひとつが世界遺産の登録を目指しているらしく、それに必要な歴史的根拠が得られないということで、また記事として現状を出したようです。では、なぜこのようなことが起こっているのか、その根幹には触れられていません。実はこれ、明治時代のプロパガンダの名残なのです。
明治時代に天皇統治の時代になると、天皇に正統性を持たせるため、歴史が「制作」されました。天皇は長い日本の歴史を統治してきたという証拠を一般人に信じさせるには、墓が残っていればいい、ということになったのです。そこで、古事記やら日本書紀やら、そうした古い史料を元に、考古学的な調査はされずに、この墓はこの天皇の墓であると当てはめられていきました。足りないものは「古墳作り」と言われ、土を盛ってせっせと作られました。そりゃ古墳じゃありません。
そうやって作られた「歴史」が、時の政府によって正統性を与えられ、教育もされてきました。それがどういうわけか戦後にも引き継がれ、宮内庁によって管理されています。我々が小中学生の時代は、宮内庁管理の古墳の名前も、何とか天皇陵という言い方で教わりました。本来プロパガンダとして作られたものが民間に定着してしまったもの、教育の場に残ってしまったものはいろいろあります。古墳と歴史の問題は、今に残ってしまった最も厄介かつ、不可解なものでしょう。もう歴史学者は、今の宮内庁の主張がどうやって作られたかも知っているし、その主張に歴史的裏づけは一切ないことは明確なのですが、宮内庁はただの役人業務をしているだけです。つまり、公然の嘘です。
どうですかね、公然の嘘が平然とまかり通り、歴史の真実を調査することすらできないとは。ではなぜ宮内庁が調査を拒むかというと、おそらく面目でしょう。今までこう言ってきたのに、それが真実ではなかったということが発見されたときに、宮内庁の対応が問題視されるからだと思います。うん、完全にアホですね。

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