おかえりなさい2016/10/23 23:54

家以外に、おかえりなさいと言われる場所があるのはとても幸せなことです。メイド喫茶ではいくらでも言ってもらえます。でもそれは商売だからで、心がこもっているわけではありません。ということで、心のふるさと、早稲田大学に本日帰ってきたのでした。8月だったかな、校友会から案内状が届きまして、卒業から15年、25年、35年、45年、55年の人達は Homecomming Day というイベントに招待されます。なお、それは招待状が届く年次であって、Homecomming Day にはすべての校友が参加できます。これは、校友を大学に招いて、式典をしたり、学内を自由に見てもらったり、同時開催の稲門祭に参加したりします。毎年行われており、今まで卒業してから一度も行ったことはなかったのですが、案内状が来た記念に行くことにしました。
案内状には、2002年次稲門会の同窓会っぽいものの案内も届いており、それにも参加する予定で行きました。記念式典だけならそれは楽なのですが、この同窓会みたいな、交流会を苦手とする私には少々荷が重く、面倒半分、行かなければ後悔する半分です。まぁ、招待状が来たものをつまらない理由で避けるのは後悔すると思い参加しました。年内一度は早稲田に行ってみるのが隠れた今年の目標にありましたが、それは5月の連休中に一度果たせました。しかしその時は大学が閉まっている時期で、早稲田キャンパスは歩けるけれど、他のキャンパスや図書館には入れませんでした。偶然か必然か、この招待は二度目の正直と言えるでしょう。
式典が10時30分からありまして、それに間に合うよう家を出ます。学生時代で言うところ、2限開始より早めに出て行く感じでしょうか。8時37分に四街道を出ました。東西線に乗って、早稲田が近くなると、ああ、この人もそうかなと思える人が結構います。そして、早稲田駅で降りる人が多くて驚きました。当然、年代も様々な人にあふれています。早めに着いてしまったため、少々遠回りをして式典の中継会場となる3号館402教室へ向かいました。
いやぁ、人少ないなぁ・・・。大学にはかなりの人が集まってきつつありました。しかし、その中で2002年次の校友は少ないです。100人いません。ある程度予想していましたが、ここまで少ないとは思っていませんでした。これはですね、15年くらいだと、知っている人が来るかわからないし、面倒が優先されるからだと思います。これがさらに年月を経てくると、そういう問題じゃないんだと思い始めるでしょう。わからないんですよ、横のつながりの価値が。若い人が地域コミュニティに参加しないのと同じです。
私はそもそも社会へのつながりが乏しいので、こういうところでつながりを求めようとします。残念ながら、地域コミュニティへの積極的な参加は、今の自分の体では難しいとかつて思い知らされまして、自分にとって身近な同志の関係は他にもあると、私は校友会の関係を大事にしようかと思うのです。今まで校友会の有効な参加のしかたがわかっていませんでしたが、ひとまず案内状が来て、可能性を感じました。これからですよ。今日は始まりに過ぎません。
式典は中継を見ることになりました。本会場である大隈講堂に入れる人数には限りがあり、55年と45年の人が入れます。しかし、それでも抽選です。中継でも、話が中心ですから十分です。最後に校歌を歌います。これをアホみたいに大声で歌うのが早稲田の伝統であり、早稲田人の習性です。早稲田では祭りのたびに校歌を歌います。そこにあるのは一体感です。人はそれぞれ、でも早稲田の人間として心はひとつ、これです。小中学校の行事とは違うのです。あれは半分強制みたいなものですが、早稲田で校歌を歌うことは、仲間が力に変わる神聖な行為です。
学生時代、様々な行事を経て、歌うことの喜びを身につけます。最初の扉は六大学野球の早慶戦です。隣が知らない人でも、共に肩を組んで歌う。応援の一体感と、自分が早稲田であることの誇りを学びます。私も経験しました。私が早慶戦の応援に参加したとき、早稲田が慶応を倒して優勝した年がありまして、その時は狂喜乱舞です。ちょうちん行列を作って、神宮球場から早稲田まで凱旋するのが伝統です。いやね、これはすごいですよ。警察が出て、道路一路線ふさぎますからね。応援団も歩き、応援団が歌うのに合わせて、時にガードレールに乗り出して歌うわけですから、酔っ払いか過激なデモのようになります。行列が大学に着くと、商店街は飲み物や酒をふるまって歓迎、大学の入り口にはビールの山が待っていて、全員に配られます。全員って、大学のキャンパスに一度に入りきらない人数で、二回に分けて最後の祝勝行事をします。人の波は満員電車、騒ぎはデモなんてものじゃありません。それで歌う校歌。そりゃね、歌うことが特別な意味を持ちますよ。体を通して校歌の意味を学びました。何かしら、早稲田の学生なら何かしらを通して歌うことの意味を学び、いつまでもそのままで生きるのです。
話は戻り、式典では久しぶりに大声で歌いました。式典が終わると、次の年次同窓会までには時間があります。大学の見学をしながら、稲門祭を見ました。稲門祭、これは様々な稲門会が出店を出している行事です。稲門会とは、校友が作る、校友会公認の組織を言います。これがなんと、1339もあります。地域ごとのもの、サークル、卒業年次、会社、職業、学部ごとなどなど、そうした稲門会が出店を出しますが、当然全部が出すわけではなくて、県単位の稲門会が多く出ていました。他は学部系、職業系でした。・・・が、実質、巨大な宴会場です。ほとんどすべての出店で酒とつまみを売っています。酒も、その場でついで出すので、もう飲んだくれがキャンパス内にあふれています。どこを歩いていても酒臭いです。これがまともな大人の集まりなのかと、一般的には見えてしまうでしょうが、それこそ六大学野球優勝などを経験していると、本質的に何も変わらないことがわかります。飲まない人は、飲まなくてもいいんです。要は祭りを楽しめればよいのです。それにしてもすごい人出でして、キャンパス内は混み合っていました。
お昼は、今年来たときに見つけた油麺の店で食べました。それから同窓会会場の文学部のカフェテリアに向かいました。以前来たときには、休み中の閉鎖で入れませんでしたが、今回は入れます。少し校舎内を見学しましたが、リフォームされていてびっくりでした。
ま、同窓会はそれなりに楽しめました。ただ、うるさい飲み屋みたいだったので疲れました。有意義だったのかはわからないけれど、そつなくこなしました。これでいいでしょう。どんな仕事をしているか聞かれて、話すと驚かれるパターンが続いて、そのうちもういちいち説明するのが面倒で、ひとりで飲んでました。疎外感はなかったけれど、色物になって面倒でした。
それが終わってから、大学内の見学と展示を見て回りました。大学の見学はまた別に書くつもりですが、展示はなかなかでした。大学内には展示施設がいくつかあって、図書館、演劇博物館、会津八一記念博物館があります。それぞれ少しずつですが、内容のある展示でした。この展示については、長くなるので今は書きません。ネタがないときにでも書こうと思います。
そのうちフィナーレの時間になってしまったので、グランドフィナーレが行われる大隈講堂の前に行きました。すでに多くの人が集まっております。昼間の出足から比べれば、たいぶ少なく落ち着いていると思いますが、せっかくここまで来たなら最後まで見るしかないでしょう。応援部と歌を歌いながら、最後に総長挨拶があり、校歌を歌ってしめます。本日二度目の校歌です。いやぁ、一日楽しめましたね。
フィナーレのうちにだいぶ日が落ち、大隈講堂が夜モードになりました。以前書いた「早稲田大学ツアー」で、夜の大隈講堂は時計に照明がついて美しいと書きましたが、これがその様子です。大学に見学に来る人であっても、この時間に見学することは普通ないですから、この姿を見られるのは、近所に住んでいるか、学生の特権なのです。夜の講堂の前では、よく演劇サークルの学生がトレーニングをしていたものでした。音楽サークルが練習していることもありました。ただ物思いにふける人、立ち話をする人。夜には夜の姿があって、とても印象に残っています。この姿がまた見られるとは、よかったなぁ。
帰りにアキバに寄って、委託の様子でも見てこようと思っていましたが、思いのほか長居をして疲れたため、帰ってきました。今日はそれなりに気を使いつつ、それでもいいものがたくさん得られました。いろんなことが感慨深いです。
今日はあまりにラフな格好でなくて、おしゃれにも気を使ったんですよ。いつもよりフォーマルにしました。こんな、ジャケットなんて着るのはどれくらいぶりでしょうか。バッグも服に合わせて落ち着いたものを選びました。久しぶりにこんなおしゃれをしたので、ついでに頭を整理する目的で、実はJに来ております。今日を通して、どこかの稲門会に正式に参加して、大学関連で横のつながりを作ってみようかなと、そんな風に考えました。せっかく土壌はあるのだし、社会とのつながりが弱い身としては、こういうやり方もあるかなと、そんな風に思います。少し時間をかけて考えていくつもりです。

コメント

_ きっと気のせいだな な 「そ」 ― 2016/10/25 15:29

 ( -人-).うーん....そういう昔のつながりは大事にしたほうが良いですな。友人に数年に一度会うか会わないかという状況では羨ましいかぎり....

 あれ?最後の写真.....心なしか夏よりほっぺがふくよかな感じが.....きっと気のせいだな...しっかし渋い格好ですなぁ。

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